アメリカの大学にいた頃ですがスケボートボードは日本で言うところの自転車のような扱いなのかと思ったことが何度かあります。今では電動スクーターが主流になってきましたが自転車以外で歩道も車道も自由に動き回れるのは折り畳みのキックスケーターかスケボーくらいでしたね。広大なキャンパスを駐車場や駐輪場を気にせず動き回れるのもいい所でとにかくアメリカキッズはみんな普通に遊びがてらの移動手段です。
そんなスケボーキッズの中からやはりとんでもない事を思いつくのが出てくるもので、じゃあスケボーでアメリカ横断してみようかなと思いつきとやってしまったのがジャックスミス。 (Jack Smith)19歳の当時、彼は仲間二人とどれだけかかるのかもよくわかんねえけどとりあえず面白そうだから東の果てまで行ってみるべ!と、多分なんとなくな思いつきで始めたんでしょうがとにかくそれから32日間、オレゴンの西海岸からバージニアまで見事にスケボーでアメリカ横断を達成しました。きっと途中まで来たらもう引き返すわけには行かないんでもう行けるとこまで行ってしまえって感じだったのかもしれませんが、この結果が後でギネスブックに認定されるほどのすげえ事だったって事はきっと本人達も考えてなかったでしょう。
“We had no idea what we were doing. We really didn’t have a clue to how many miles we could cover a day because we didn’t train for the thing at all. You know, we were 19 and full of ourselves and thought, ‘Let’s just go do this,’”
ジャックスミスの記録が達成されたのは実は1976年。かなり昔の話だったのですがなぜ今この話が出ているのかというと、先月8月、同じ事をやっていた女性が無事にゴールしたんですね。
ブルックジョーンズ (Brooke Johnson) はロサンジェルスの有名なサンタモニカビーチからスタートして、117日間かけて東海岸のバージニア州バージニアビーチに到着しました。女性として初めての達成となりこれだけでも大したもんなのですが実は以前にも彼女はロサンジェルスからメキシコまでの178マイル (約286キロ)をスケボーで移動した記録があります。本人曰くメキシコまで行けたんだからもっとアメリカ横断もできんじゃね。てな感じだったらしいのですが何が彼女をここまでやらせたのかには理由があるんですね。
彼女の義理の父は障害がありました。転倒事故によって椎骨を骨折、これによって四肢麻痺で生活する事になってしまいました。13歳からスケボーを始めたブルックは当初ただ漠然と彼をなんとか助けることはできないだろうかとファンドレイジングなどしていたそうですが、2024年の去年この義理父ロジャーが他界してしまいました。これをきっかけにアメリカ横断を決心。自分にできることはさらにスケボーでファンドレイジングをする事だと行動にうつしたんだそうです。その結果、5万4千ドル (およそ830万円)が集まったそうで四肢麻痺などで苦しむ人達の役に立つようにと全てを医療関係に寄付したそうです。この旅の間彼女はいつもつけているペンダントがあったそうですが、その中にはロジャーの遺灰の一部を入れておいたそうです。
彼女が無事ゴールした後のインタビューでこの次は何をするつもりですかという質問に、まずは1時間マッサージをしにいきたい、両足それぞれにね!と答えています。
史上初の女性スケートボーダーによるアメリカ横断はきっとギネスレコードにも乗ることになるでしょう。大したもんですねえ。
“Suddenly, I had a reason,” says Johnson, who began skateboarding at age 13. “I told him, ‘I’ll skate across the country and raise money for your recovery.’ ”
