高市総理がトランプ大統領との会談中にでたある日本記者からの質問です。”Why didn’t you tell U.S allies in Europe and Asia like Japan about the war in Iran… So, we are very confused about…” と、ここからトランプ大統領が遮り説明を始めますがその最後の部分が日本人にとって少し引っかかる言い方で物議を醸し出しているようです。
日本人記者のこの質問を日本語に直訳すると、「なぜイランでの戦争について、日本のような欧州やアジアのアメリカの同盟国に話さなかったのですか? ですから、私たちはとても混乱しています……」といった感じになります。これに対するトランプ大統領の説明は、敵国に勝つためには攻撃前から相手にシグナルを送る事はしないと言っています。つまり誰にも話さずサプライズにしたかったと続けますがこのサプライズという言葉と日本という二つの言葉からトランプ大統領から出てきた言葉が、サプライズ+日本=真珠湾攻撃となったようです。
“We went in very hard and we didn’t tell anybody about it because we wanted surprise. Who knows better about surprise than Japan? OK, why didn’t you tell me about Pearl Harbor?”
”日本以上にどこの誰がサプライズという事をよく理解しているんだろうか?なぜ真珠湾攻撃の時、事前に私に教えてくれなかったんだい?” と言葉を返しました。結構皮肉の効いた回答になってしまったようで、しかも時代は違うとはいえ日本の総理大臣を目の前にしてでの公の発言だったため、インスタなどでは,極めて不適切、アメリカ人として恥ずかしいなど色々ネガティブな意見が飛び回っています。多分咄嗟に聞かれた日本人からの質問に対して、気の利いた回答をと思ったのかもしれませんが、やはり真珠湾攻撃を持ち出さなくてもいいんではないかと思いますが、このニュースを見て思い出したのがつい最近会社のアメリカ人の同僚とランチをしながらあることを聞かれたのを思い出しました。
彼はアメリカ生まれアメリか育ち、勿論大学を出るまでずーっとアメリカの学校。つい数週間前、よく行く近所のポケ丼を食べ終わった後、車の中でいきなり歴史の話になってそういえばアメリカはなんで第二次世界大戦に巻き込まれたんだろうってほんといきなりなんでやねんと思ったんですが、そこで続けて言い出したのが日本が真珠湾で攻撃してきたからだったよね、なぜか彼の言い方が引っかかるなと思ったもののまあ確かにそうだったろうよとその時は軽く返事をしていたのですが、頭の中ではなんでだっけかと少し考えていたんですね。昔日本で習った歴史の授業では確か当時の日本はドイツと同盟を組むくらい仲が良かったんだっけかとか思い、そうなるとやはりアメリカとはいい関係じゃなかったんだねえとか結局なんとなくその程度しか覚えていなかったんですねえ。第二次世界大戦の歴史の授業、日本ではいつどういった表現で習ったかもすでに覚えていないのですが、まさか学校の教科書にアメリカはムカつくので先制攻撃したというような直球な表現は掲載されるわけもないわけで、そつない表現で事実を日本寄りに説明する書き方をしているのは事実のようです。言い換えれば一般的な教書は、日本が理不尽だと思われるような歴史の事実は極力避けているんでしょう。ちなみに下記はサイトで見つけた日本の歴史教科書に関した一例です。多少偏った印象もあるように感じますがこういった表現をしていたのも事実なのでしょう。
日米開戦の責任はアメリカにある、と言わんばかり それにくわえて、『歴史教科書』が強調しているのは、日米交渉を決裂させた責任はアメリカにあると言わんばかりの、日米交渉論です。 「1941年春、悪化した日米関係を打開するための日米交渉が、ワシントンで始まった。日本はアメリカとの戦争をさけるため、この交渉に大き な期待を寄せたが、アメリカは日本側の秘密電報を傍受・解読し、日本の手の内をつかんだ上で、日本との交渉を自国に有利になるように誘導した」 (274~275ページ)。
In 1940, America did impose economic sanctions on Japan such as banning the export of iron ore, scrap iron and steel in the hopes that such a deprivation might stop Japan’s imperialistic advance into China and Indochina. It did not work. In July 1941, the U.S. ended all trade with Japan and froze all of Japan’s assets in the U.S. Great Britain, China and the Netherlands joined the U.S. in placing an embargo on oil exports to Japan. Japan was now deprived of several vital resources necessary for its economic survival. At that moment, Japan had several choices. Option One was to stop and abandon its imperialistic conquests in Asia. Option Two was to maintain the “status quo” which would have ultimately forced Japan’s economy to grind to a halt. Both of these options would have caused Japan to “lose face.” In order to replace embargoed resources and to establish its own economic sphere of influence (the Greater East Asia Co-prosperity Sphere) Japan pursued option three. Japan planned to gain control of parts of Southeast Asia, including the Malay Peninsula, Indonesia, and the Philippines, as well as many Pacific Islands. In order to make the last option work for as long a period of time as possible, Japanese leaders wanted to eliminate or to at least minimize the presence of the strong U.S. Navy in the Pacific, one which had the potential to disrupt the shipping lanes in the East China Sea and thereby thwart Japan’s plans for a Greater East Asia Co-Prosperity Sphere. This was Japan’s hope when it launched the attack on the U.S. Navy stationed at Pearl Harbor on December 7, 1941.
アメリカでは真珠湾攻撃の発端は前年1940年、日本への経済制裁からきていると教えているようです。必要な資源入手を断たれ壊滅状態になっていく日本はいくつかの選択技に迫られます。そして日本の最終選択は太平洋諸島を支配する事でした。当時の日本海軍はものすごく強いといわれていて、マレー半島を含む太平洋に面するアジア諸国の統治は当時の日本にとって問題なかったそうです。しかしそれにも劣らないアメリカ勢力がいたわけで、結局彼らの海軍を太平洋から除去する必要があるという結論を出しました。他の選択技はもうなく、これが日本にとって最後の望みとなり希望を託して行われたのが真珠湾攻撃だったというわけです。
概要として説明されていますがこの話を聞けばいきなりアメリカに攻撃してきたのは紛れもなく日本だとなります。トランプ大統領も自分の会社の同僚も真珠湾攻撃に関して、昔学校で習った記憶を辿って話していたと思うんですね。なので記憶に残っているのは日本というアジアの国がわけわかんねーけどいきなりハワイを攻撃し出したんでアメリカは報復したんだとなるんでしょう。そう考えると大統領が例として持ち出す気持ちも少しはわかるような気もしますが、85年も前の話を日米首脳会談という場所で出さなくても良かったんじゃないかとも思います。そしてさらに、トランプ大統領がこんな皮肉っぽい回答をしてしまった理由にはもう一つ理由があるような気がします。
勝手な解釈ですが、この日本人記者の質問の仕方にも多少影響があったのではとも思います。 個人的に英語の文法だの細かいことは気にしないし、英語には日本ほど敬語の細かい使い分けはあまりないものの、最低限の敬う表現は使われます。両国のトップが会談するかなり重要な席での質問はそれに見合った表現をもっと考慮すべきだったのではとも思ってしまいます。ただの比較ですが、この質問文、”Why didn’t you tell U.S allies in Europe and Asia like Japan about the war in Iran… So, we are very confused about…” これを、日本語を母国語としない中国人が、この英文と同程度レベルの日本語を話た場合、どんな日本語になるか訳して下さい、とAIに聞いてみるとこうなりました。
「なぜイランの戦争について、日本とかヨーロッパのアメリカ同盟国に言わなかった?だから私たちとても混乱しています…」
内容はともかく、もし仮に日中首脳会談が開かれ、ある中国人記者がこの口調で高市首相に質問したら日本側はどう感じるのでしょうか。 まあ穏便に応答するとはいえ結構失礼な質問とも受け取れると思います。少し皮肉を言ってやろうという気にもなるかもしれません。
そんなことより、どの国にも愛国心があるのでそれぞれ自分たちの歴史を美化してしまうのはしょうがないのかもしれません。歴史の勉強で使われる教科書の作成はかなり責任のある仕事なんだと感じました。
