バイデン大統領の任期も折り返しを迎えアメリカ中間選挙が始まりました。思った以上に共和党が苦戦しているようです。大統領選挙はもちろん全米規模なので全州の投票の結果が左右しますが、それぞれの州からも共和党または民主党どちらをサポートする代表が選ばれるかの州選挙もこの時期に選ばれます。カリフォルニ州は言わずと知れた民主党サポーターの多い州なので今回の州知事選ではやはり民主党からゲビン=ニューサム Gavin Newsomが再選しました。彼は57.5%の支持率、対する共和党のブライアン=デール Brian Dahleは42.5%の支持率で見事勝利しました。
続いてロサンゼルスの市長選ですが現在接戦しています。現職の市長エリック=ガルセッティEric Garcetti は既に任期満了のため今回は新しい市長選となり、カレン=バス Karen Bass とリック=カルーソ Rick Caruso の争いとなっています。この二人現在は無所属 (nonpartisan)ですが、過去の経歴を見るとどちらも民主党側の人間だったようです。やはり民主党サポーターの多いロサンゼルスでは驚くことではないかもしれません。過去の細かい経緯などはさておき、お互い票率を上げるためキャンペーン中のスローガンを市民に掲げています。今後のロスの街の方針に関わってくる問題なので、これらの内容が重要な決めてになる模様です。
まずは カレン=バス。彼女は犯罪、ホームレスの問題、住宅費用の高騰などの問題点を解決していきたいそうです。
In a campaign ad, Bass said, “I’m running for mayor to meet today’s challenges: crime, homelessness, and the soaring cost of housing.”
<https://ballotpedia.org/Mayoral_election_in_Los_Angeles,_California_(2022)>
そしてリック=カルーソ。彼は街に蔓延ってしまうホームレスの問題、犯罪に慄く市民の安全確保、そして役所で働いている政治家たちのサポートなどを主に改善していこうと言っています。
In a campaign ad, Caruso said, “I’m running for mayor because the city we love is in a state of emergency: rampant homelessness, people living in fear for their safety, and politicians at city hall just in it for themselves.”
<https://ballotpedia.org/Mayoral_election_in_Los_Angeles,_California_(2022)>
どちらもホームレスの問題をまず掲げていますが、パンデミックの影響はとても大きくロスの街での生活困窮が今一番に懸念されるべきことだということは間違いないようです。この点に関しては誰もが合意できると思われますが、今回のロサンゼルスの選挙は今ままでにないほど重要なものになるという考えもあります。その理由にはさまざまありますが、まず1点目に、今回ロス市民は新しい市長選びと年齢層やイデオロギーの違う全く新しい市の職員の選択に迫られることになるであろうという事。そして2点目に、上述の通り、街全体は現在パンデミックからの回復に向けて依然奮闘中ですが、同時にそれは地価高騰の問題やホームレスの問題とも複雑に関連し、それぞれにうまく対処しなければいけない事。さらに3点目には、ロスのある市職員のスキャンダルが問題視されるという出来事がありました。
It has been described as one of the most pivotal elections in decades for Los Angeles.
<https://www.latimes.com/california/story/2022-11-07/a-last-minute-cheat-sheet-for-voting-in-2022-l-a-elections>
Voters will pick a new mayor and face generational and ideological choices for other key races that could bring major changes at City Hall.
L.A. is struggling to recover from the pandemic at the same time that it is grappling with housing affordability and homelessness crises. A series of corruption scandals have tainted the public’s view of City Hall. And that was before a racist audio leak caused the president of the City Council to step down and prompted calls for two other council members to follow her out of politics.
ヒスパニックの職員ケビン=デ=ルオン (Kevin de León)が他の職員ギル=セデリオ(Gil Cedillo)との電話での会話内容についての問題です。彼は会話中、白人議員 マイク=ボニン(Mike Bonin)の子供が黒人でありその子についてかなりの人種差別となる酷い表現で罵っていたらしいのですが、この会話は実は盗聴されていてそれがリークしました。現在でもロスでは勿論大問題となっており市民による市庁の見方がますます疑わしいものとなっています。張本人のケビン=デ=ルオンは既に辞職に追いやられ、この会話に関与していたギル=セデリオもその後を追って職場を去りました。
The Los Angeles Times first reported last week about the audio recording of a conversation that happened in October 2021 between Martinez, Cedillo, de León and Herrera while discussing the redrawing of districts.
According to the Times, Martinez criticized another colleague, Councilor Mike Bonin, who is White, over the parenting of his Black son, who she said Bonin treated like an “accessory.”
Martinez also called Bonin’s son “ese changuito,” Spanish for “that little monkey.”
<https://www.foxnews.com/us/la-city-council-racist-audio-leak-cedillo-de-leon-booted-committee-seats-blm-pressure-resign>
政治に関しての意見は人によりますがとても熱く語る人がいます。一般的にも政治に関心を持つ人は日本に比べてかなり多いと思います。とても重要な事だと思うのですが、その分投票結果や市の決定など結果に不満がある場合はその分かなり大騒ぎになるので、ある意味それもアメリカっぽいといえば良いのでしょうか。とにかく穏便に投票も進み、コロナを乗り越え市民の生活がさらに改善されることを期待します。