ヒトコトLAトーキング #48 タイタニック観光ツアー

潜水艦を作った会社のCEO、ストックトン=ラッシュ氏がビデオゲームのコントローラーで潜水艦を操縦してタイタニックを見にく途中で行方不明になったニュースが持ちきりでした。どうやら潜水艦の破片が見つかったようでツアーに参加した大金持ち4人の乗客も残念ながら助かる見込みはもうかなり低いようです。

このタイタニック号観光ツアーの費用はおよそ3500万円ほどだそうでそこまでして見たいのはやはり映画の影響でしょう。タイタニック船の乗客の家族であればきっとその価値もあるのかと思うのですが簡単に払える金額ではないです。実はこのタイタニックツアー会社の潜水艦の運転手でもありCEOのラッシュ氏の嫁さん、ウエンディ=ラッシュ、彼女はタイタニック号に乗っていた人の子孫だったそうです。そしてやはりこの嫁さんもOceangateの仕事に携わっていたようでDirector of Communication(広報責任者)として働いていました。旦那のストックトンはプリンストン大学で航空力学を学びその後パイロットとしてキャリアーを積んでおまけに自分で飛行機も作ってしまったとか。それからその勢いで今度は潜水艦も作ってしまい、それをきっかけにタイタニック観光ツアーを思いついたんでしょうね。夫婦間の会話は知りませんがこの二人がこの潜水ツアーを始めたのも理解ができるような気がしてきました。

The wife of OceanGate CEO Stockton Rush, who is one of five on board the missing submarine that disappeared on Sunday while heading to view the wreckage of the Titanic, is a descendant of two first-class passengers who died when the ship sank in 1912, according to archival records cited by The New York Times.

Per a report from the outlet published Wednesday, Wendy Rush — who is director of communications at OceanGate — is the great-great-granddaughter of Isidor and Ida Strauss, who died after the Titanic hit an iceberg and sank in the North Atlantic Ocean more than 100 years ago.

Wendy — born Wendy Hollings Weil — is a descendant of one of the Straus’ daughters, Minnie. In 1905, Minnie married Dr. Richard Weil, who is Wendy’s great-grandfather.

A fictionalized version of the Straus’ relationship was included in the 1997 James Cameron movie Titanic, which included a scene that featured a couple holding each other as waters rose in their cabin. According to the Times, survivors recalled seeing the couple on the deck of the ship as it sank, however.

Isidor and Ida Strauss, イジドア=ストラウス、アイダ=ストラウス. タイタニックのファーストクラスでの乗船者であったこのカップルは船が氷山に衝突、沈没した際に亡くなってしまいました。二人の間には娘がいてそのうちの一人 Minnie, ミニー=ストラウスはリチャード=ウェイルと結婚。このリチャードが今回行方不明になったストックトンの妻ウエンディのひいおじいちゃん (Great-grandfather)にあたるそうです。それにしてもタイタニックの沈没からもう100年以上も経っているのに乗客員の履歴やその家族の経歴について資料が残っていて今だに閲覧されるのはなんだかすごいです。やはり映画の影響に間違いないです。タイタニックは1997年に映画化されとにかくジャックとローズの小粋なフィクションシーンずくめでしたが、映画背景にはかなりドラマティックな箇所があります。乗船者達が船の異変に気付き始め少しずつパニックが広がっていくシーンがありました。海水が船底から入りだし客室まで入りだしたとき非常ボートをだして非難の準備をする金持ち層達と、もう助からないと悟り覚悟を決めた人達やただ逃げ回るがいました。ほとんどの人達がボートに乗れない一般の人もしくは貧民層でしたが、この中で老夫婦が正装のままキャビンのベッドで抱き合いながら横たわり最後を待っているシーンがありました。監督のジェームスキャメロンによるとあの二人が実在したイジドアとアイダのモデル、つまりOceangate CEOの嫁さんのひいひいおじいちゃん、おばあちゃんだったそうです。なぜこれほど彼らの記録が残っているのかというとイジドア、アイダ夫妻はものすごい大富豪だったようで旦那のイジドアはあの有名デパートメーシーズの共同経営者であり民主党議員だったそうです。タイタニック渡航理由はフランスからのバケーション帰りで乗客の中の数人いた金持ちのうちの一人であったとあります。なので映画でのシーン、狭い船室の小さなベッドで奥さんと横たわっていましたがそんな部屋ではなかったはずです。生き残った乗船者の証言によるとイジドアはものすごく良い人で救命ボートの席を確保されていたものの残りの乗客の安全が確保されるまで自分はボートに乗らないと言っていたらしいです。奥さんのアイダも2回ほど救命ボートの席に着くよう聞かれたものの乗ろうとしないイジドアを置いてけはいけないとやはり拒否、彼女のメイドに席を譲り結局二人はタイタニックに残ったまま命をおとしてしまいました。別の証言によるとタイタニックのデッキで寄り添っていたのが彼らを見た最後だったそうです。ジャックとローズよりもこちらの話の方がよっぽど心に響きそうで、映画でも実際この二人のシーンはまだあったようですが編集でカットされました。
このシーンでのアイダのセリフ、”We have been living together for many years. Where you go, I go.”これも生存者が聞いた実際の表現だとか。

イジドアとアイダについては下記サイトに掲載されていました。詳細興味があれば読んでみたら面白いかもしれません。

タイタニックの沈没当時、ヨーロッパ人の移民の中心は当然ながら東海岸だったので事故の生存者たちが西海岸に在住することは結構稀のようです。生存者のうちロサンゼルスに在住していた人はほんの二人だったようです。

George Brereton – a 37-year-old said to be resident of Los Angeles. He is known to have been a professional gambler and is said to have used his skills aboard Titanic. He boarded at Southampton and was amongst the survivors from Titanic landed in New York by Carpathia.

Virginia Clark – a 26-year-old living in Los Angeles. Boarding Titanic at Cherbourg with her husband Walter Clark, she was sailing home from a trip to Europe. She was rescued by boarding a lifeboat on the port side of the ship, known to be Lifeboat 4.

ジョージ=ブレントン、プロギャンブラーで知られていた人だとあります。船の事故で生き残れるくらいなのでかなりの強運の持ち主だったのでしょう。やんちゃな人だったようで色々問題ごとを起こしながら色々な州に渡り住んでいたようですが、2度の再婚の後銃で自分の命を経ってしまったようです。

 

今回の潜水艦事故はタイタニック沈没の後を追ってしまったような結果でしたが、そのうち誰でも簡単にい行けるようになり、遺族が遺品探しなどまだ聞かれていない当時の話は尽きないでしょう。