ヒトコトLAトーキング #56 ハリケーン in LA

日本ではお盆も終わり今年も本格的な台風シーズンになってしまうのでしょうか?ロサンジェルスでは一般的にストームと聞けば12月から1月の冬頃ですが今年は地球沸騰とおかしな言葉が出始めめただけあってやはりおかしいです。乾燥するはずの8月にハリケーンがロサンジェルスに向かってきています。しかもでかいです。最大5まであるカテゴリーですが8月18日メキシコ沖合でカテゴリー4となっていました。北上しながら勢力を落とし現在は<2となりました。
日本では台風は番号ですがアメリカでは人の名前で呼ばれます。確かアメリカ気象庁が台風発生時にランダムに名前がつけられると思うですがこのハリケーンはヒラリーとなりました。 最大瞬間風速というのでしょうか、観測された数値では140mphとなったようですがマイルからキロに変換するとおよそ時速225キロです。これがそのまま来たら本当にやばいです。このまま13mph (時速20キロ)のスピードでメキシコ沿岸からサンディエゴを通過するようですがロスには現地日曜から月曜にかけてのようです。どこのローカルニュースでもすでに大騒ぎになっています。ロスに、しかもこの時期にハリケーンが来るのはそれだけ稀なことらしく最後にロスにハリケーンが来たのは1939年で、実に84年ぶりということになります。当時のハリケーンがロサンジェルスの南、海に面したロングビーチに到達した時にはトロピカルストーム(熱帯低気圧)となっていたようですがそれでもかなりの被害があったようです。このハリケーンで93人もの死者が出てしまったとあります。

Tuesday, September 26, 1939

In 1939 a tropical storm nicknamed El Cordonazo or The Lash of St. Francis, made landfall near Long Beach. Although San Diego avoided serious damage, the storm brought record winds and the heaviest September rainfall ever recorded to the area.

Across Southern California the storm caused 93 deaths; 45 people died in flooding on land and another 48 were lost at sea.

天気予報では北からの冷たい空気のおかげで今回のヒラリーもロスに来るまでには熱帯低気圧になるだろうと言いていますが84年前同様にかなりの被害が予想されそうです。そのためアメリカ気象庁がロサンジェルス近辺では今回史上初となる熱帯暴風雨警報(tropical storm warning)を発令しました。

LOS ANGELES – After Hurricane Hilary continued to intensify overnight, the National Weather Service issued a Tropical Storm Warning for parts of Southern California for the very first time.

特に海岸沿いでは高波、高潮の影響でこいきなハリウッド映画に出てきそうなビーチ沿いの家達が危険です。市がブルドーザーで バーム(berm)と呼ばれる砂の壁をビーチに作っていますがどれだけ持ち堪えられるかも不安です。崖崩れも懸念されています。海を見下ろせるやはり映画に出てきそうな崖っぷちの高級住宅地も危ないです。サンドバック(Sand bags)もかなりの量が準備されているようです。それ以外にも氾濫するかもしれないLAリバー、もしくは低い場所に位置する住宅街。とにかく確実に安全な所はないかもしれません。会社の同僚とも話していましたが庭の植木を家に入れておこうとか、食料を買い溜めしおこうとか、停電した時のためジェネレーターもいるのだろうかとか誰かに会う度にそんな話でもちきりになってしまいます。

City crews build up a sand berm as they prepare for high tide along with a storm that was expected to bring flooding to the Peninsula in Long Beach Friday, September 9, 2022. Photo by Thomas R. Cordova.

今週末の予定されている屋外のスポーツにも影響が出ています。野球ではエンジェルス、ドジャースの試合が どちらのチームもダブルヘッダーだっただけにファンには退屈な週末になってしまいました。サッカーではLAギャラクシーの試合が見送りになっています。 一般庶民にとって1番の心配が幹線道路です。ロスには通勤に使える十分な電車が一部でしか存在しません。なので多くの人が車通勤です。もともと雨が少ないのでほんの少しの雨の日でもいきなり渋滞することがあります。普段はネジが飛んだおにーちゃんが乗っているめざといチューンアップカーが天気が悪くなるといきなり原付バイク並みになる事はしょっちゅうです。しかも日本に比べて走っている車の状態がかなりファンキーなものが多いです。ガラスの窓がなくてサランラップのようなものでカバーされていたり、バンパーがないのでなんだか見窄らしいもの、ボディーの一部が修理されているけれどそこだけ違う色をしたもの。スモッグチェックと呼ばれる車検は存在しますが日本ほど厳しくないのか、そんなん気にしないのか。ある意味自由で周囲を気にしないのがとてもいいのですが、こんな車が雨の日に道の真ん中で調子悪くなると周りにも厄介になります。雨の日の運転に慣れていない中の大雨。本当に気をつけたいです。ちなみに何度もやっている天気予報で今気づいたんですが、西海岸で発生する台風は反時計回りするんですね。

ロサンジェルス日本領事館でも注意喚起していました。

ハリケーン「ヒラリー(Hilary)」に関する注意喚起

1 米国国立ハリケーンセンター(NHC)によれば、現在、ハリケーン「ヒラリー (Hilary)」がメキシコの南西海上にあり、時速22キロで西北西に移動しています。ヒ ラリーは今後北北西に進み、8月19日から21日にかけて、メキシコ及び米国西海岸 に接近もしくは上陸するとみられており、このためカリフォルニア州及びアリゾナ州な どでは広範囲にわたり大雨、暴風(沿岸部では高潮、高波)の発生が予想されていま す。 2 在留邦人の皆様及び当地滞在中の皆様におかれては、居住・滞在エリアを管轄する 郡、市等の行政機関のウエブサイトや、SNS、テレビ、ラジオ等のニュース、交通機関か ら、常に最新情報を入手し、安全の確保をお願いします。移動・外出の場合は天気や交 通状況等を十分に確認してください。また、ハリケーン通過後も、地盤の緩みに伴う土 砂崩れなど、予測できない二次災害が発生する可能性もありますので、十分に御注意く ださい。

(参考) 米国国立ハリケーンセンター(https://www.nhc.noaa.gov/?epac) 米国気象局(https://www.weather.gov/) ウェザー・チャンネル(https://weather.com/)