野球の本場アメリカではプロ野球以外にも子供から大人まで楽しめるアマチュア野球チームが沢山あります。日本にもあるリトルリーグがその一つですが、今週リトルリーグワールドチャンピオンシップの決勝戦があったそうでニュースで騒いでいました。地元ロサンゼルスのローカルニュースだったのですがそれもそのはず、優勝したチームはエルセガンドというロスの空港に近いエリアのリトルリーグだったそうです。
ワールドチャンピオンシップという名前だけに各国からの代表チームが世界一をかけています。世界各国とは言ってもアメリカ、カナダ、キューバを入れた野球大国11ヶ国ほどです。しかしこれらは選りすぐりの野球大国ばかりです。11ー13歳児達が立つ舞台には十分でしょう。日本チームももちろん強豪です。大谷選手の後を追うちびっこ選手も沢山いるんでしょう。
- Asia-Pacific: Taoyuan, Chinese Taipei
- Australia: Sydney, Australia
- Canada: Regina, Canada
- Caribbean: Willemstad, Curaçao
- Cuba: Bayamo, Cuba
- Europe-Africa: Brno, Czech Republic
- Japan: Tokyo, Japan
- Latin America: Maracaibo, Venezuela
- Mexico: Tijuana, Mexico
- Panama: Santiago de Veraguas, Panama
この11ヶ国の対戦表ですが大きく二つに分かれていてます。アメリカ国内のトーナメントと10ヶ国間のトーナメントです。アメリカ国内での優勝チームと他国間の優勝チームが最終的に決勝戦で戦います。ちなみに対戦表はブラケット(Bracket)と言いますがこのブラケット、少しわかりずらいのはダブルエリミネーションのせいです。ダブルなので2回となりエリミネーション(Elimination)は取り除くという意味なので要するに1回試合に負けてもまだ優勝のチャンスはあるということです。夏の甲子園の試合のような一般的なブラケットはシングルエリミネーションということになります。
またアメリカ国内戦ではチームの地域ごとの対戦になっていますがこの名前も分かりずらい。ウェスト、イーストならまだ西海岸、東海岸と想像のつくものの、マウンテインはどの山で、大体メトロってどこでしょうか。
優勝したエルせガンドチームですが優勝はもちろん初めてです。ニュースの記事では “defied the odds” =倍率に反して、 “scrappy”=根性のある、などの表現で最初はかなり期待されていなかったようですが決勝の試合内容は大迫力でした。
特にチームに大貢献したスタープレーヤーの一人、Louis Lappe (ルイス=ラッぺ君)の最終イニングの打席は鳥肌立ちます。決勝対戦チームはクラカオ(Curacao、 ベネズエラの小さな島),5対1でエルセガンド優勢で迎えた5回表、クラカオチームの満塁ホームランによって同点に追いつかれます。しかし次の6回裏最終イニング、最初の打席に右の強打者ルイス君がマウントに入ります。二球目にキャッチャーは半腰で彼を歩かせるつもりのようにベースから左に大きくずれミットを構えていますが投げた球は少し甘くそれを逃さず見事に真芯にとらえ文句なしのさよならホームラン!チームを優勝にもたらしました。(さよならホームランはアメリカ英語だと walk-off home run なんて言われます。)
全米のスポーツチャンネル、ESPNなどでも試合は放映され決勝試合内容もプロスポーツのように扱われている印象があります。決勝戦はペンシルバニア州で行われたのですが、試合後エルセガンドの街では選手を向かい入れるパレードも用意をして盛り上げたそうです。
Hollywood’s hometown Little League team has just completed a dream season.
The El Segundo 12U All Stars defied the odds and went all the way to victory this year’s series, held Aug. 16-27 in South Williamsport, Penn. The team battled back Sunday afternoon from a four-run deficit to beat Curacao 6-5 after a made-for-the-screen walk-off home run delivered by Louis Lappe, one of the team’s star players who emerged over the championship series.
The Little League World Series is always popular late-summer programming for ESPN, but this time around the entertainment industry has paid more attention because of the local-heroes factor. Representing the West division, the scrappy El Segundo team prevailed over more experienced competitors to go all the way. Last year, Hawaii won the championship game 13-3 over Curacao.
The city of El Segundo is set to welcome the team home from Pennsylvania on Monday with a parade. The last time a team from California won the junior Fall Classic came with Huntington Beach’s victory in 2011. The team from Chula Vista prevailed in 2009, according to KTLA.
アメリカリトルリーグの試合を見ていると当たり前ですがメジャーリーグの選手たちの影響を大きく受けているという感じがあります。技術面以外の話ですがそれぞれが選手としての立ち回りや体裁、インタビューを受けた時のコメント。日本の場合とはやはりかなり違います。日本代表となった武蔵府中リーグの画像を見ていたのですが、とてもスポーツマンぽいというか高校球児を思わせる爽やかさがわかります。みんなスポーツがり、チームみんな綺麗に並び笑顔でポーズをとっていました。とても良いですね。まさにみんな頑張れという感じです。アメリカ選手達も勿論爽やかで似たようなポーズを取っているのですがそれぞれの選手たちになぜか個性が感じられます。少し長い髪やサングラスをかけている選手。同じ規定のユニフォームを着ているしそれで良いじゃないかと、個人のスタイルを自由に出しているなんだかそんな感じがします。この日本とアメリカのスタイルの違いに関しては実際どうでもいいと思うのですが少なくとも日本ではある程度の規律を保とうとしているのは確かでしょう。できればロン毛、モヒカン、ドレッドは避けましょうとか、ズボンの裾はソックスに入れた方が良いんですとかあるのでしょう。これらは監督の指示からなのでしょうか。管理野球という表現が特に日本の野球界でよく耳にする言葉ですが選手それぞれのスタイルも管理しなければいけないのでしょうか。スポーツをとうして人間性、協調性を養っていくことが子供スポーツの目的だとも思うのですがどこまでの管理が本当の育成の助けになるのでしょうか。よく分かりませんがそれぞれの国のちびっこプレーヤー達は現地のプロを見て育つのが当たり前なので朱に交われば赤くなるのは当然であり、彼らが大人になればまた同じスタイルが次の子供達に伝えられていくのでしょう。そうなると比べる事にあまり意味はないのかもしれません。要はスポーツなので反則なしで試合に勝てば良いんですねきっと。ただ勝つだけが良いのかも疑問です。勝つためならどんな状況でもバントで走者を送って点を稼ぐのは良いことだと教わることは本当に子供の教育にとって良いことなのでしょうか。深く考えると難題のような気がします。