ヒトコトLAトーキング #59 NFL in LA

今年もNFLのシーズンがやってきました。ナショナルフットボールリーグの略ですがプロのアメフトリーグです。毎年この時期に開幕となり翌年2月までのおよそ17週間試合は続きます。

全米32チーム、AFC (American Football ConferenceとNFC(National Football Conference)に2分割されていて両方の優勝チームが最後の決勝戦、スーパーボールで全米一を争います。ハーフタイムには売れっ子アーティストが演奏します。前回のメインはリアナでした。評価は色々聞きましたが試合を盛り上げた事は間違い無いです。

9月に始まる理由は他のスポーツシーズンと重ならないという商業目的が主な理由ですが、気候にも理由があります。屋外スポーツでかなりの激しい運動量なので真夏の炎天下ではやはり辛いです。試合を見ている方も暑いです。真冬になると今度は北の方にある州では雪で寒いです。きっと春に開幕してもよかったのでしょうが、3月頃に始まるプロ野球と重なります。なので9月以降の秋頃がまあ都合がいいというわけでしょう。

9月からのおよそ5ヶ月間のシーズン、他のプロスポーツと比べると短いんですね。アメリカの人気団体プロスポーツといえば、ホッケー(NHL=National Hockey League), バスケ(NBL=National Basketball League), 野球 (MLB=Measure League Baseball)など挙げられますがそれぞれのシーズンの長さを見ると違いが分かります。

NHL – 252 Days

NBA – 240 Days

NFL – 152 Days

シーズンの長さの違いも間違いなく興行収益をもとにしているのでしょうが、アメフトに限って言えばオフシーズン中での静養やキャンプでの調整期間はかなり重要なものになります。スポーツのルール上、選手同士ぶつかり合うのが当たり前なのでケガはつきものです。実際試合を見ている以上に選手はボロボロでしょう。特にクオーターバックがケガをした場合そのチーム全体の勝敗にものすごく大きく影響されます。シーズンが始まりスーパーボールまで辿り着いても完璧なコンディションを保っている選手はまずいないでしょう。なのでドラフトキングなどでただ強いチームに賭ければ儲かるというわけではないんですね。どのポジションの誰がどんなケガをしているのか、それによりチームにどう影響が出ているのかなどやたら細かくニュースに書いてある記事をよく見かけるのはこのためです。みんな金儲けたいんですねえ。
The Risk of Injury              The NFL has by far the highest injury rate per game of any major American sport. Statistics show that for every 1,000 players on the field at any one time, at least 75 will sustain an injury.

This is four times the rate of similar injuries in sports such as the NBA, MLB, and NHL (National Hockey League). Even practice sessions result in considerably more injuries than in other sports.

However, it is not only the possibility of injury but also the type of injury that makes playing in the NFL so perilous.

  The most common ailments NFL players suffer, according to their own Physicians Society, include concussions, heart and pulmonary contusions, broken ribs, abdomen, spine, and kidney injuries.

Most players face occupational risks such as the knee, ankle, shoulder, neck, and back problems.

Even those who do not lose any playing time will be carrying some form of injury and will be compelled to manage the discomfort with prescription medicines, which have their own set of risks.

  Every year, doctors learn more about the risks of high-impact sports like rugby and the eventual onset of early dementia and other long-term neurological problems.

The NFL is no exception; according to a 2014 survey, 14% of all former NFL players have been diagnosed with Alzheimer’s, and another 14% will develop at least mild dementia.

  And the NFL has established a fund to address the issue and has paid out more than $800 million to former players, with the average payment being roughly $600,000.

  The unfortunate reality is that every time someone steps onto an NFL field, they are taking a calculated risk, one that may not be fully realized until they retire.

アメフトは全米で行われているどのスポーツよりも一試合で選手がケガをする確率が高く、NHL, NBA, MLB のプレーヤよりも4倍ほど高いそうです。特におっかないのは頭のケガで2014年の統計によればおよそ14%の引退NFL選手がアルツハイマーと診断されていたそうです。さらに残り14%が少なくとも中度の認知症を患うであろうとあります。どれだけ期待されていた選手でも開幕戦でケガをしてシーズンを終える事もよくある事です。呑気にビール片手にのんびり観戦できるファン達は勿論毎日試合を見たいのは確かですが選手にとってはやはり毎シーズン消化されるスケジュールが限界なのかもしれません。勿論プロなので出場している選手はシーズンが短かくても十分以上の給料は支払われるので逆にシーズン内の試合数が多すぎるという声も出ているようです。

さて今年のスーパーボールの優勝チームの予測ですが、どうやらフィラデルフィアイーグルス(NFC)にかなり期待されているようです。イーグルスは今年のスーパーボールで惜しくもカンサスチーフスに負けてしまいました。その次の優勝候補はバッファロービルズ (AFC)のようです。全シーズン開幕中にはベストクオーターバックと騒がれたジョシュアレンが相性のいいレシーバー達と今シーズンに挑むようでかなり高い評価がされています。ちなみに前回の優勝チームカンサスチーフスは数字で見ると4位になっています。ノリに乗っているパトリックマホームの活躍によりますが今シーズン最初のゲームではデトロイトライオンズに1点差で負けてしまいました。

ロサンゼルスをホームグラウンドにする2チーム、LAラムズ(NFC)とLAチャージャーズ(AFC)ですが、NFL全チームで見るとあまり高い評価にはなっていませんが、今年はどちらも勝ち残れるポテンシャルがあります。チャージャーズにはタレントルーキージャスティンハーバーの調子が良く、チーム内ではかなり期待されています。最近チームとの5年間の契約延期をし、その金額もおよそ262.5ミリオンダラー。もう日本円に換算したくもないくらいの金額です。1ドル百円としても260億円。これはNFL歴史上最も高い金額だそうです。それだけの価値があるクオーターバックなんです。ただじゃあ終われないです。

一方のラムズ、2年前のシーズンでは見事優勝し注目の的に。大騒ぎになった勢いで次のシーズンも順調に始まり再度スーパーボールまで上り詰めると期待されたものの、キープレーヤーであるワイドレシーバー、クッパーカップがシーズン途中ケガで欠場。残りのシーズンはそれから成績がガタ落ち。その前のシーズンでチャンピオンになっただけに情けないとかなり叩かれましたが今年のシーズン開幕では誰もケガもなく、オフェンスチームは絶好調での開幕となります。

ラグビーW杯も始まっていますがアメリカ国内では断然アメフトが人気です。NFLの試合はこれから毎週木曜日にあるのですが、これからは職場で試合結果でたまに盛り上がります。その中でも大抵一人くらいは歴史に残る有名監督のような話し方になります。ファンタジーフットボールという賭け専用サイトで、社内でリーグを作り毎週競い合う事もあります。勿論この場合はお金はかけませんが同僚同士での会話のトピック程度に楽しめます。

今年こそはLA ラムズ、そしてチャージャーズには頑張ってもらいたいです。