ヒトコトLAトーキング #65 メキシコの伝統 in LA

どの時代でもどこの国で育っても必ず人間として共通することがあります。死です。人間は死というものは心身をこの世から失い孤独になり寂しいということを理解しているので、あの世というものがあって死後は別の世界に行けると考えた方が気が和らぐだろうと多分ほとんどの人がそう思うものなのかもしれません。何かしらの宗教を信じていればもっと具体的に説明を受けて想像しやすいのでしょうが、そうでない人達や信心深くない人にとっては死の受け止め方は場所によってそれぞれのようです。メキシコでは死にまつわるある伝統があります。ディアデロスムエルトス (el Día de los Muertos) 死者の日と呼ばれるものです。  

メキシコは今ではカトリックが多く占める国だそうですが、カトリック教が普及するもっと古くから高度な文化が栄えていました。メキシコ先住民、ナワ族が築いたアステカ帝国は12世紀から16世紀に繁栄していました。彼らは独自の考えがあり、宇宙に存在するもは循環していて死とは生との一部であり常に存在するものと考えていました。人が死ぬとチヌアルナ(Chicunamictlán) という死の大陸に旅立って行きます。数年の間に9個の試練を無事超えることができるとその魂はミットラン(Mictlán)と呼ばれる最後の安息の地に辿り着けます。

ナワ族では伝統的に死を尊う儀式が8月にあり、遺族は食事、飲み物、またはサバイバルツールを供えて旅を続ける亡くなった魂を弔います。これが現代のディアデロスムエルトス(デイオブザデッド)に引き継がれ遺族の墓に食事などのお供えをする風習が今でも続いているのだそうです。

弔う理由は少し違いますがやっていることはまるで日本のお盆ですね。時期ももともとは8月だったようですがなぜ11月となったのでしょうか。

古代ヨーロッパでも異教徒達(pagan)が死者への祝いをする風習があり、ローマ教皇も非公式にこれを二つのカトリックの休日の日に導入していたそうです。All Saints DayとAll Souls Dayと呼ばれるこの休日は11月最初の2日間行われていました。時が経ち、少しずつこの死者の日というアイデアはメインストリームの宗教によって話が淘汰されていきました。
the holiday is celebrated each year from October 31-November 2. While October 31 is Halloween, November 1-2 is All Souls Day or the Day of the Dead. According to tradition, the gates of heaven are opened at midnight on October 31 and the spirits of children can rejoin their families for 24 hours. The spirits of adults can do the same on November 2.

10月31日の真夜中、天国へのゲートが空き子供の魂は24時間この世に戻り家族と過ごすことができ、翌日2日は大人の魂がやはり24時間家族に戻ります。そして11月2日の午後、スピリットオブオールデッド、死のグランドフィナーレとなります。これが現代この時期にお祭りになっているディアデロスムエルトスの始まりです。 今ではさらにお祭りとしての風習が強くなっていてますが通常顔や体に骸骨のペイントをします。 死んだ遺族が年に一回戻ってくるめでたい日なのか服装は伝統的なカラフルで明るいイメージがあります。日本のお盆のような厳かなイメージはあまり感じられません。きっと陽気な南米気質からくるお国柄でしょうか。アウトフィットはどうでもいいです。気持ちが大切です。

Día de los Muertos

Spirits of all the dead

The next day is the grand finale and public celebration of Dia de Muertos. In more recent times, people come together in their cities, dressed up with Calavera painted faces (Skeletons) and have parades in the streets. Cemetery visits are also common on the last day as families will go to decorate the grave sites with Marigold flowers, gifts, and sugar skulls with the departed’s name on them. It’s customary to clean the grave stone and restore the color.

ちなみにハロウイーンは10月31日で一日ずれていますが実際の所関係はないですのですが商業目的であるイベントではやはり一緒に混ぜ合わせた感じが多いです。ハリウッド中心、サンタモニカ通りにあるただの墓地、名前はハリウッドフォーエバーと言いますがそこでは毎年死者の日のイベントが行われています。会場で顔に骨のペイントをしてもらい、ステージから聞こえるマリアチ音楽を聴きながら飲食店ベンダーでメキシカン料理。めそめそ死んだ人を思って向かい入れるより、割り切って自分達も楽しんだ方がいいしそれでいいじゃんかという感じでしょうか。このイベントは生きてる人間に便宜が図られているので週末土曜日の10月の28日です。入場料は35ドルです。

映画007スペクトラのオープニングはまさにメキシコシティーでの死者の日のパレードの様子です。もちろん映画なのでここまで盛大に毎年やっているのかはわかりませんがメキシコでは昔から伝わる重要な伝統行事です。違法であろうがなかろうがメキシコ移民の多いロサンジェルスにはこの伝統行事の影響は大きく各メキシコ人家庭ではそれなりの準備をしているのでしょう。まさに日本のお盆の週と似ています。やっぱり人間はどこに住んでいても同じような考え方をするものなんでしょう。