ヒトコトLAトーキング #82 全国従業員感謝デー in LA

3月1日は全国従業員感謝デー。なんだか街のスーパーの安売りのチラシのようですがアメリカではNational Employee Appreciation Dayと言い一応どこかで聞いたことのある言葉でしょう。多分アメリカの会社に勤務している人達はこの日、CEOやらの幹部からいつもありがとうなんていうとってつけたようなメールが届きます。下記はある会社から社員に向けたメッセージです。

Team, 

 

As I have shared recently, and am happy to celebrate today, it is truly an honor to lead such an incredibly talented and committed team. 

 

The past year has brought us a number of really valuable accomplishments, as well as a many difficult challenges and a variety of changes. I’m truly grateful for your hard work, your resiliency, and your many significant contributions. . 

 

Today, and every day, I want to thank you for your continued hard work and commitment and our long-term mission. The work you’re doing each day is making a positive impact in the communities we serve and the lives of countless individuals across the globe.  

 

Today, please take a minute to express your appreciation to someone outside of your immediate team. Recognizing and applauding the work we are all doing to accomplish a common mission can really make a difference. 

“hard work”, “resiliency”, “contributions” こんな表現で社員を褒めています。ハードワークは日本でも聞くかも知れません。仕事熱心という事です。Resiliency. は弾力のあるという意味ですが人の性格を表す場合には立ち直りの早いとか打たれ強いとかそんな感じになります。Contribution は会社への貢献という意味になります。アメリカは多分日本に比べて言葉ではっきり示すことが多いので社員を褒める表現も結構あるような気がします。日本はボスであっても態度で示そうよという状況が多いので、きっと部下に示す態度のバリエーションも仕事経験をしながら増えていくものなのでしょうか。BBCのある記事にこんな事が書かれていました。

ある日本の会社員、日本の会社経験を経てアメリカでコンサルタントとして働いているそうです。彼女のクライアントは日本とビジネスをするアメリカ企業の幹部, または日本企業社員の海外進出のためトレーニングだそうです。あるトレーニングの際、日本人社員のマネージャー達にそれぞれ自分の部下達に10のポジティブなフィードバックを書いて来るよう宿題を出したそうです。宿題を読んだ彼女のコメントです。

“People really struggle with that one,” Sakurai says. “Maybe they come back with five or six. And then most of them are something like ‘not bad’ or ‘good enough.’ They just can’t get in the mindset of positive feedback.”

10のフィードバックどころか5つか6つしか書いていないものが多くそのほとんどが、”悪くない”とか”十分”とかその程度だったそうです。彼らはポジティブなフィードバックをするというそもそもの概念がなかったのでしょうと言っています。最近ではゆっくりなペースながらも日本も変わってきているようで、コミュニケーション管理スタイル (“adopting collaborative and communicative management styles.”)を採用する会社が出てきていると擁護もしています。ただしこのポジティブフィードバックが慢性化してしまうと、それが当たり前のようになり部下の褒められた時の反応は言葉以外の態度や素振り(“nonverbal clues”)からでしか判断ができなくなると言っていますが、そうすると今度は部下がポジティブフィードバックを聞いたあとの的確な表現を学んでいく必要があるのかとも考えてしまいました。結局の所、上司からのグッドジョブの一言が部下の必要とするモティベーションアップ効果につながると最後にコメントしています。もしそうでなければ日本企業の御用達、 “Nomikai” が伝統的に使われます。 飲み会については、The best way to offer an employee feedback is simple: take them out drinking”と言っています。

Calling an employee into your office for that kind of meeting is likely to elicit panic. Instead, Fukuyama says, the best way to offer an employee feedback is simple: take them out drinking.

 

In fact, Japan has a tradition called nomikai, where colleagues and their bosses drink, often a lot, and often until late night. Still, any feedback over beers and sake is likely to concentrate only on what went wrong.

夜遅くまで飲みながら酔った席で本音を部下と語り合うという日本独特のあの手法ですが、この時のフィードバックはほぼネガティブな部分を凝縮したものになるでしょうとあります。日本の居酒屋で周りの会社員が飲んでいる会話が思い浮かびます。大体お前はよお! というセリフは日本の飲み屋につきものなのでしょう。

全国従業員感謝デーから外れてしまいましたが、実際この日が必要なのは日本企業でしょう。シラフで上司から照れ隠し抜きで褒められる。どこの国でも簡単で1番効果的なモティベーションアップなのではないでしょうか。