ヒトコトLAトーキング #87 マック in LA

ある統計によれば日本にはおよそ3000店舗のマックがあるそうです。アメリカ全土は、2024年の時点で、13,528店舗のマックがあるそうです。米国内店舗の多い街トップはテキサス州、ヒューストンの126店舗、2位イリノイ州、シカゴ、105店舗、3位テキサス州、サンアントニオ、77店舗、4位ネバダ州ラスベガス、 そして5位にカリフォルニア州、ロサンゼルス郡、63店舗あります。競合バーガーショップもロスには多いのでどこに行ってもまずバーガーショップがどこにでも目につきます。とにかくこれら63店舗で働くパートタイマー達の最低賃金が20ドルとなりニュースで騒いでいます。 今の為替で大雑把に日本円にするとおよそ時給3千円となります。かなりクレージーな時給にも思えます。
ロスの賃金アップに関しては、実際の所マックに限らず全国に60店舗以上あるチェーン店はこの最低賃金が当てはめなければいけないというルールにカリフォルニア州知事ギャビンニューサムが合意した結果です。 
The new law, signed by Governor Gavin Newsom last fall, requires that fast-food chains with 60 or more locations nationwide pay their workers at least $20 an hour. This means the state’s 553,000 fast-food workers will now earn more than the state’s $16 minimum wage for all other industries.
ロサンゼルスは特にインフレによる物価高騰が激しいのが現状で給料が上がらないと生活が苦しくなるのはどの国も同じですね。ちなみにロサンゼルスでラーメンをレストランで頼むと大体平均で12ドル前後くらいでしょうか。これにチップを入れるので日本円だと2000円程度になるのが今では普通になってきています。円安の影響もありますが、スーパーで買い物をしていても気づくと最近多く払っているのはきっと気のせいではないのでしょう。さらに現在ホームレス人口減少に力を注ぐロス市長にとっても職務経験の少ない人が自立できるほどの賃金が期待できると、このキャンペーンにそぐうためサポートの意思が感じられ一般市民にとってはいい事ずくめで一件落着と感じます。しかしやはり全員にとっていいことではないようで納得のいかない人も出てきています。
チェーン店の雇用者賃金が上がったために個人営業のバーガーショップなどでは求人に影響が出ると言っています。いきなり無経験者初日から20ドルの給料を払う余裕がない店もたくさんあるからです。  さらには経験のある従業員にとってはノービスの給料が上がる会社があるのになぜ自分は上がらないのかと考えるのも納得がいきます。わざわざカレッジに行って授業料を払い何か報われないと嘆く人間も出てくるようです。なんならカレッジも行かなくてもなんとかなるじゃないかとドロップアウトする人数も増えるのではとも言っているようです。 実際給料を上げたチェーンにとっても大きな負担となるわけで人員削減の大きな言い訳につながってしまう懸念もあります。せっかく給料が上がったにもかかわらず今度はクビの心配をしなければいけない事にもなります。 結局の所、経済に合わせて給料は徐々に上がっていくのが大多数の人にとっていいのかも知れません。経済の一般的な考えかも知れませんがそれをうまく操り、かつ国全体に影響を及ぼすほどの大きな存在価値を出すのが政治家であり特にそのトップとなる大統領なわけで、こうした賃金上昇も何かしらで政治家達の損得が絡んでいることは間違い無いわけですね。なぜ今週このタイミングで行ったかと考えるとそれもどこかで今年の大統領選挙に関連しているんでしょう。カリフォルニア州知事は民主党です。バイデン大統領がよく口にしているのは金持ちから税徴収をしよう。大金持ちの大会社からは特に高い税を取ろうとか言っています。代わりに一般市民にはいい待遇をなどと唱えたり、カレッジの学生にはローンをなんとかしようだとか聞こえのいいことをよく言っているので、賃上げに関してもさらに民主党サポーター獲得に拍車をかけていくと思いますが、問題なのは大統領、多分本人何言ってるのか分かんなくなっている事がたまにあるようです。給料が上がった後の影響はどんな事になるのかしっかり把握していると国民も安心なのですが。