スエヒロ カフェは創業1972年、スズキ ジュンコさんとスズキ ユリコさんの姉妹で始めた日本食レストラン。当初二人は雀荘をやろうと店の物件を探していたそうですが彼女達のお父さんの知り合いの料理人がビジネスパートナーを探しているとのことで、じゃあ一緒に何かやろうと始まったのがきっかけだそうです。ところがオープンして一年目にしてこのクックが辞めてしまいジュンコさんとユリコさん二人になってしまいました。その当時二人は全く調理の経験もなくやっと始めたばかりの商売も閉めるわけにもいかず、とにかく作れる限りの日本料理を作りなんとかやりきりしてたそうです。味としてはやはり最高級とは言いがたいものの二人の人柄が人気を呼んだそうです。一度来た客が常連となりその常連が友人を連れさらに常連を増やしていきカフェは商売繁盛となっていきました。
ジュンコさんは2001年に引退していたもののカフェは息子のケンジさんに無事継がれ今ではリトルトーキョーのレストランの中では1番の老舗となり周りからも一目置かれる有名カフェとなりましたが、コロナの影響もありここ数年は経営不審が続いていたようです。そしてこのカフェが閉店になるというニュースにケンジさんがリポーターにコメントしていました。詳細を読んでいくと時代の流れを少し感じます。
ジュンコさんは持病とコロナ感染の合併症により2021年、84歳で亡くなってしまいました。カフェは創業から賃貸だったようなのですがこの建物のオーナーは現在のカフェ経営状況、そしてジュンコさんの他界 (これは下記リンクには書いてないものの多分彼女の人柄があっての契約だったのかもしれません。)を聞いてからスエヒロカフェに対しての決断は Eviction (立ち退き)という判断でした。現在のオーナーのケンジさんはこれから別の場所にまたスエヒロを続けていくと残念そうにコメントしていました。
これだけでも大きなニュースなのですが立ち退きとなった後の物件についてさらに物議が交わされているようです。カフェはリトルトーキョーの中心。徒歩で回れる近所の店は日本のおみやげ、お菓子、居酒屋、食事処など日本のモノを売る商店街がメイン。そんな環境の中でこのオーナーはこのカフェをマリファナディスペンサリーにしようと言っているんですね。コロナは勿論アメリカの今の景気、日本の円安などを考えれば日本食屋に比べてかなりの収入が期待されるのでオーナーとしてみればいい選択なのかもしれないのですが、ドラッグにやたら厳しい日本社会やコミュニティーのど真ん中でマリファナを売る店というのはかなり節操がないといういか、考慮に欠けているように思えます。そうは言ってもビジネスは厳しいもので実際リトルトーキョーにある店舗は今どこもかなり厳しい状況のようです。このままだと日本の商店街が少しずつ減っていっていつかは日本人街ではなくなってしまうのではないかと普段あまり行かない場所なのに心配しています。ちなみに昔好きだった大黒屋というラーメン屋がこのエリアにありましたが確か4、5年前にすでに店舗を移動してもうないです。こうして日本人、日系人達の足がリトルトーキョーから遠のいていくような気がして少し寂しいですねえ。