ヒトコトLAトーキング #97 ジューンティーンズ in LA

6月のアメリカは日本に少し似ている気がしているようです。国民の祝日があまりないんです。唯一あるとすれば6月19日、ジューンティーンズ (Juneteenth)と呼ばれるものでアメリカ連邦政府の定める祝日です。会社では日本の顧客からはじゃあ休みなんですねえと何度か聞かれましたが実際仕事は休みじゃなかったんです。何でやねんと聞かれましたがそんなん知らんと言っていました。

現在11個の連邦政府の祝日が定められているとあります。正月や独立記念日、クリスマスなど含まれていますがあまり有名でないものもいくつかあってそれらは大抵会社が休みになる事はないです。

What’s a federal holiday?

Federal holidays are paid days off for federal government workers. There are 11 federal holidays as legislated in 5 U.S. Code § 6103.

New Year’s Day: January 1

 

Martin Luther King, Jr. Day: Third Monday of January

 

President’s Day (George Washington’s Birthday): Third Monday of February

 

Memorial Day: Last Monday in May

 

Juneteenth: June 19

 

Independence Day: July 4

 

Labor Day: First Monday in September

Indigenous Peoples’ Day (also observed as Columbus Day): Second Monday in October

Veterans Day: November 11

Thanksgiving Day: Fourth Thursday in November

Christmas Day: December 25

ジューンティーンズは11個のホリデーの中でも知名度が低い気がします。10月1日はインデジニアス ピーポーデー (Indigenous People’s Day) というのもありますがコロンブスデーのようですが聞いた事もなかったです。さらに気付いたのですがこの二つはカリフォルニア州の祝日には含まれていないんですね。 連邦政府の祝日はアメリカ政府に触接関与していり企業団体のみ有給休暇が義務付けられていますがそれ以外の一般企業には適用されなわけでどうりで会社のホリデーカレンダーにないわけです。
2024 Holiday Dates (California)
  • Monday, January 1 New Year’s Day
  • Monday, January 15 Martin Luther King Jr. Day
  • Monday, February 19 Presidents’ Day
  • Monday, April 1 Cesar Chavez Day (Observed)**
  • Monday, May 27 Memorial Day
  • Thursday, July 4 Independence Day
  • Monday, September 2 Labor Day
  • Monday, November 11 Veterans Day
  • Thursday, November 28 Thanksgiving Day
  • Friday, November 29 Day after Thanksgiving
  • Wednesday, December 25 Christmas Day
ではこのアメリカ連邦政府の休日は一般企業に勤める人達にとって実際どれだけ有給休暇として活用されているのかという統計がありました。要するに一般企業が雇用者にどれだけの割合で有給休暇を与えているのかという統計です。

Here’s a breakdown of holidays commonly provided as paid days off and the percentage of private industry employees receiving this benefit:

  • Christmas Day: 97%
  • Thanksgiving: 97%
  • Independence Day: 94%
  • Labor Day: 91%
  • New Year’s Day: 90%
  • Memorial Day: 89%
  • Day after Thanksgiving: 39%
  • Christmas Eve: 26%
  • Martin Luther King, Jr. Day: 24%
  • Washington’s Birthday/President’s Day: 19%
  • Good Friday: 19%
  • New Year’s Eve: 14%
  • Veterans Day: 11%

2018年のアメリカ全土での数字なのであくまで概算のようですがまあ大体自分や周りの知人の休日と合致しているようです。クリスマス、感謝祭、独立記念日はほぼアメリカ企業は休みです。どの街のダウンタウン、大学やカレッジなども閑散となります。

大きなホリデーである感謝祭は11月最後の週の木曜日と決まっているので、大抵の場合は翌日金曜日は休んで4連休にする事が通常だと思うのですがこれを見ると61%の企業が休みたければ個人休暇として休めという姿勢なんですねえ。ホリデーに稼ぎどきの企業もあるはずですが雇用者にはつらいですねえ。大晦日も同じですね。ほんの11%の企業しか有給が出ないようです。年末くらい有給で休ませろよと思うのは考えが甘いのでしょうか。

さてジューンティーンズですが、これは黒人奴隷解放令を讃える祝日です。 1863年、当時の大統領アブラハム=リンカーンが黒人奴隷解放を宣言しましたが、この主従関係は国中すぐに反映されることはなかったらしく特にテキサス州ではこのオーダーを無視する白人達も多かったようです。それを見かねた軍隊将補、ゴードン=グランガーが2年後の1865年、テキサス州ガルベストンという街で奴隷解放を公布しました。 この告知には 全ての奴隷、”All slaves”という表現を強調したようでかなり強い要求とメッセージが伝わってきます。

“The people of Texas are informed that, in accordance with a proclamation from the Executive of the United States, all slaves are free. This involves an absolute equality of personal rights and rights of property, between former masters and slaves and the connection heretofore existing between them, becomes that between employer and hired labor. The Freedmen are advised to remain at their present homes and work for wages. They are informed that they will not be allowed to collect at military posts; and they will not be supported in idleness either there or elsewhere.”

今の時代には奴隷という行為を理解する事すら難しいかもしれません。ある人間をモノとして扱う事が普通であった時代がどれだけクレージーだったか考え直すいい機会です。なのでこの日こそ全ての企業は雇用者を奴隷として扱う事がないよう気を改め有給休暇はアメリカ国民の権利だと大声で言ってみようかと。たまにはゆっくり休ませろと思ったわけですね。