ヒトコトLAトーキング #38 夏時間

西海岸に位置するロサンジェルスは太平洋に面していますね。太平洋は英語でパシフィックオーシャン (Pacific Ocean)となり聞き覚えがあると思いますが、パシフィックデイライトタイム (Pacific Daylight Time = PDT)という表現もよく聞く表現です。今週月曜日は得にこのPDTに気をつけないといけなかったんですね。

というのも毎年3月の2週目から時間が1時間ずれるんです。カルフォルニア州では夏時間というものが始まり、今週から11月まで時計を1時間早まわりするんです。この期間をPDT パシフィックデイライトタイムと言います。平日は普段朝5時半頃起床するのですがこのおかげで起きてもまだ暗いです。その分暗くなるのが遅くなるので夕方が長く感じます。毎年わかってはいるものの最初の月曜日はどうしてもこの時間のずれに慣れません。ちなみにこのPDT以外の期間を (11月から3月までの冬の期間)パシフィックスタンダードタイム(PST)といいます。 さらにPDTとPSTを使っているのは現在太平洋側に面する4つの州だけで、カリフォルニア州以外に、ネバダ、オレゴン、ワシントン, (アイダホ州内はタイムゾーンが分割) が相当することになりこれら4つの州をまとめてパシフィックデイライトタイムゾーンと呼ばれます (Pacific Daylight Time Zone)。このゾーンの右隣はマウンテインデイライトゾーン(MDT), さらにその右隣にセントラルデイタイムタイムゾーン (CDT)、そしてその隣が最も東側ニューヨークのあるイースタンデイライトタイムゾーン(EDT)となりアメリカ本土には4つのゾーンがあります。アラスカとハワイはまた別ゾーンです。下記地図見てもえば少し分かりやすいと思いますが隣接するそれぞれのゾーンは西側から1時間ずつ遅れています。太陽が東から出るので地図の右側から早く朝がくるからですね。

https://www.timeanddate.com/time/zones/pst

出典:<https://www.time.gov/> リアルタイムで全てのゾーンの時間を一括に表示しているサイトです。全州正確な時間が必要な仕事をしている人には便利です。

そもそも大昔はこんなややこしいものはなく、朝明るくなって起きる時間を大体7時とすればいいではないかとかその程度だったらしいんです。なのでその時代今よりもっと時間に関しては好き勝手だったようで、実際1880年代までアメリカ国内では144ものそれぞれ違うローカルタイムが存在していたそうです。当時の移動は徒歩か馬車だったので時差が出るほど移動することもあまりなかったのでそれでよかったんですが、1883年ついに文明の力機関車が走る線路が国中に伸び時刻表を作るため時間も統一しなければいかんということになり、やっと時間を一つに決めようと考えました。ただ全国統一すると例えば朝7時に明るくなって起きたニューヨーカーが朝こいきにセントラルパークでジョギングしている同じ時間、ロサンゼルスの会社員は時差を考えると3時間前なので真っ暗闇で出勤しなければいけないとなり、どうもそれも生活しずらい。暗いのでまだ寝ていたい。てな訳で太陽の東から西へ (地図でいうと太陽の左右の動きを考慮して)大体1時間くらいの時差で国を分けてみようとなったのがこのゾーンです。 

ここからさらにややこしくなります。左右に動く太陽の動きでゾーンをなんとか決めたものの、今度は地図上で見ると太陽の上下の動きをなんとかしないといかんという話です。夏と冬では日照時間が変わりますね。これは回っている地球の軸はブレているので赤道位置もずれます。北半球の夏は日照時間が多く冬は短いのはその理由ですが、アメリカ国内のどの場所でもそうですが、他の州やゾーンのことも気にせず生活していてもまだ少し厄介なこともあります。例えば夏の朝6時、明るくなった快晴の日差しの中でサンタモニカのフリーマーケットに行って買い物しようなどという行動が、冬の同じ時間だとまだ暗いし少し寒いのであまりこいきでもなくなってしまいますね。朝起きてもまだ暗いので明かりが必要だったりと電気代もかかります。これはアメリカ全土どのゾーンも基本同じなので朝消費される明かりの電気代も全国民規模で見るとかなりの消費になってしまいます。そこで考えたのがデイライトセービングですね。3月2週目の週から1時間時計を早めることになりますが、冬時間だった朝5時半はロサンゼルスではもうす明るいんですね。朝食事でも明かりが必要なくなってくるくらいです。6時ともなればもうすっかり明るいです。明かりをつける電気代も少しは節約できているのかもしれません。なので文字どうり一応セービングとなります。ただし前述のとうりこの日を境にいきなり1時間早まるので朝6時は先週だとまだ5時でいきなり真っ暗な時間に起きて仕事に行くとなるとなんだか変な感じがするんですね。よく聞く表現で Spring forward というのがありますが春は時間が早まるってことです。夏時間の始まりです。これが11月になると今度は Fall back 冬時間になるので1時間遅まるってことになります。冬の場合は1時間遅れるので実は案外悪くもないです。なんせ朝5時半に起きるはずが1時間遅れ6時半まで寝ていられます。時間の変わった最初の日だけはやはり慣れないものの少し嬉しいです。

たかだか時差に関することですっかりややこしくなってしまいました。全州内でもアリゾナ州にいる人はデイライトセービングでの時間を変えなくてもいいとかまだまだ詳細があるようですがもう十分ですね。とにかくアメリカ大陸ってのは広大なんだなあと再認識させられます。