トランプ前大統領とハリス副大統領の討論会が生中継で報道されました。トランプ氏にとっては今年2回目となりますがバイデン大統領との討論会に比べてかなり苦戦した様子が伺えました。
討論の進め方は前回同様で一人が話している時は相手のマイクはオフにするというものでした。以外と思ったのは討論前までトランプ氏ではなくハリス副大統領がこれに反対していたそうです。4年前の討論会では漫才の相方のようにバイデン大統領がしゃべる度毎回ツッコミを入れていたトランプ前大統領のイメージが残っていたせいです。
最初の議題は今の経済と国民の生活費についてでした。 ”The economy and the cost of living in this country.”
カマラ副大統領はやはり育った畑が違うので経済の展望ついてはっきりした回答はしていませんでしたが、中流階級で育った自分と上流階級を優遇する課税制度を掲げるトランプの方針を比べました。彼のやり方だと中流階級が一年で4千ドル多く支払うことになると一般国民からの支持を仰ぎつつ、かつ具体的な数字を挙げていました。
これに対してトランプ前大統領、まずはそんな事は嘘だ。間違った事言っているとすかさず否定。私だったらまず関税をあげるなどするが今の経済の状況はとにかく恐ろしくインフレであり悪いのはバイデン大統領と彼女のせいだ。もっと酷いことに彼らが何百万人もの犯罪者や海外からの亡命者たちをアメリカの生活に連れ込み一般庶民の仕事を取り上げている。この二人は凶悪な犯罪者で危険気まわりない。といきなり色々な角度から避難しました。
ここから次のお題までお互い足を引っ張り合います。トランプ前大統領はアメリカで開発された半導体技術を中国に売りつけただの、ハリス副大統領の父親は大学の教授でマルクス主義者だ。彼女はしっかりその親から教育を受けたために今では共産主義支持者だの。
次の議題は Abortion. 中絶についてでした。
妊婦は6週間以内に中絶を決めるべきだと以前にトランプ前大統領は言っていたのですが違う演説の場では6週間は短すぎると言い換えたり一体どうなのよという質問でした。トランプ氏は民主党は過激すぎると断言。彼らは9ヶ月以内の中絶は問題ないと言っている。これはつまり中絶でなく死刑を実行しているんだ。色々言ってますが直接の質問の回答はしませんでした。
一方ハリス副大統領は強い口調で持論を述べます。女性であり中絶した経験のある知り合いの話を盛り込み説得力のある説明に思えました。さらにトランプ氏が大統領になれば中絶禁止の法律にサインするだろうと加えます。犯罪者にレイプされ妊娠した人達がどうしてそんな子供を身籠るんだと女性が中絶できる権利を強くサポートしています。これに関しては確かにうなづけます。
~ the United States Congress, including some of the most conservative members of the United States Senate, came up with a border security bill which I supported. And that bill would have put 1,500 more border agents on the border to help those folks who are working there right now over time trying to do their job. It would have allowed us to stem the flow of fentanyl coming into the United States. ~Donald Trump got on the phone, called up some folks in Congress, and said kill the bill. ~Because he preferred to run on a problem instead of fixing a problem. And I’m going to actually do something really unusual and I’m going to invite you to attend one of Donald Trump’s rallies because it’s a really interesting thing to watch. You will see during the course of his rallies he talks about fictional characters like Hannibal Lecter. He will talk about windmills cause cancer. And what you will also notice is that people start leaving his rallies early out of exhaustion and boredom.
これに対するトランプ氏の説明ですが、トランプ集会に行っても退屈なだけだと言われた事がかなりむかついたのでしょうか。反論した上に話がさらに変な方向へむかっていきます。
She said people start leaving. People don’t go to her rallies. There’s no reason to go. ~People don’t leave my rallies. We have the biggest rallies, the most incredible rallies in the history of politics. That’s because people want to take their country back. Our country is being lost. We’re a failing nation. And it happened three and a half years ago. And what, what’s going on here, you’re going to end up in World War 3, just to go into another subject. What they have done to our country by allowing these millions and millions of people to come into our country. And look at what’s happening to the towns all over the United States. And a lot of towns don’t want to talk — not going to be Aurora or Springfield. A lot of towns don’t want to talk about it because they’re so embarrassed by it. In Springfield, they’re eating the dogs. The people that came in. They’re eating the cats. They’re eating — they’re eating the pets of the people that live there.
私の集会では誰も退場したりはしない。 私の集会は政治の歴史の中で最も素晴らしいものだ。その理由には昔のいい時代のアメリカを国民が取り戻したいからだ。今のアメリカは行き場を失っている。3年半前から国民は統一がとれずバラバラ。このままだときっと第3次世界大戦になるぞ。何百万人もの外人を国内に入れているし。アメリカ中の市町村を見てみろ。どの街もみっともなくて話したくもないが、スプリングフィールドという街では犬を食ってんだぞ。これらの移民は猫食ってんだぞ。彼らは住民の飼っているペットを食うんだぞ!実際そんな報告はないようでハリス副大統領もこれには呆れかえって、なんて極端な事をと苦笑いし首を振っていました。
この後も重要なトピックは続きます。 国内におよそ1千万人以上いるとされる違法移民者をどうやって強制送還させるか、司法省の武器化は乱用されているのか、4年前の大統領選挙に投票に違法があったとして結果に不服を持ったトランプサポーターがホワイトハウスを占拠した事件について、トランプ氏は後悔しているか?( トランプ氏何はも関与していないと言っています)。 あとは今も続いている2つの戦争についてなど現在のホットな出来事についてそれぞれの意見を真剣に交わしていましたが、本心かどうかわかりませんが両者全て本当の事を言っていたわけではないようです。CNNではトランプ氏に関しては30回以上回答にウソがあると言っています。検察官経験のあるハリス副大統領でさえも一回はウソの主張があったと数えているようです。お互いののしり合う中でついカッとなり話をもったり、都合を合わせるため前回の意見を少し変えてみたり、まあ普通の議論でもあり得る事ですが、トランプ氏の違法移民が近所のペットの犬や猫を食べるってのはよく思いついたなと思いました。これに関してはいまだにたまにニュースでなんでやねんと言っています。
あとはハリス副大統領が何度も言っていた表現が耳に残りました。”Let’s be clear about that.” それについてははっきりさせておきましょう。という意味になりますが、質問の回答を要求される度にカメラに向かって何度もこの言葉で説明を始めていました。これに続く言葉は大抵、トランプ氏がこうであったから、トランプ氏はこんなことしたからと、まるで国民に向かって、みんな聞いて。この人こんな事言ってんのよ。だからはっきり嘘かどうか確かめましょうよ。と共感を得ようとしているのが伝わりました。大統領同士の討論会だけではなく誰かと真面目な討議をするとき、まずは本題の前振り表現として覚えておくと役に立つでしょう。
11月の投票までもう一度討論会をする可能性があるようです。今回の討論ではハリス副大統領に軍杯が上がったとされる民主党はこれを望んでいるようですが、トランプ氏についてはまだ議論中だそうです。
この討論会後、テイラースイフトはハリス副大統領を支持すると公にコメントしました。民主党は今少し優勢となっていますが一体どんな結果になるのでしょうか。