トランプ大統領就任までのカウントダウンが始まっているようで討論会で彼が熱く誓ったいくつかのトピックについて物議が交わされています。そのうちの一つ、違法移民の排除について西海岸の人達は懸念を抱いて居るようです。
前回トランプ氏が大統領就任の際にはメキシコボーダーが野ざらしになっているので俺が柵を作ってやるといっていたのを覚えていますが、今回就任時にはさらに強い口調で違法移民を根こそぎ除去してやると言っていました。人種のるつぼ、ロサンジェルスにはが多くの移民がいます。去年2023年の統計では350万人の移住者がいるそうですがこれはロサンジェルス郡全体のおよそ34%になるそうです。この移民の数字は有効な移民許可のある人の数ですが、現在およそ80万人ほどのアンドキュメントと言われる違法移民がいるそうです。どれだけこの数字が正確なのかは分かりませんがロサンジェルス郡の人口はおおよそ一千万人ほどいるわけでその中の80万人というと大雑把に計算して7から8%ということになります。ざっくり12から14人に一人は違法移民ということになりますが本当なんでしょうか。とにかくこれだけ高い確率で違法移民がいるとされるロサンゼルスで効果的にこの80万人だけをあぶり出すにはどんな政策が取られるのかが懸念点なんですね。ランダムに道で事情聴取して合法な許可証を持っていなければその場で逮捕することになるのでしょうか。そんなことになれば大袈裟な例かもしれませんがナチスがユダヤ人に行ったようなある一定の人間に対しての虐待行為となるのではないのかと懸念されます。
アンドキュメントとして枠組みされると国籍、性別、年齢はもはや関係なくなります。どの国でも同じだと思いますがそのカテゴリーで生きていくにはかなりの覚悟が必要なわけで自由に生きていくための制限が課されます。昔そうなってしまった日本人の知人がいます。
カレッジで自分と同じメジャー (学科) を専攻していたA君ですがいくつかのクラスをいつも遅刻してきていたため単位が取れなかったんですね。学校での彼は普通のいいやつでした。当時の彼は当時F-1という種類の学生ビザでアメリカ滞在していたのでこのビザのステータスを維持できなければ帰国しなければならず、そのまま滞在するとアンドキュメントになるわけですが彼はその道を選んだわけです。
そもそもF-1ビザを維持するためには基本フルタイムで学校で授業を取らなければいけないという決まりがあります。通常ロサンジェルスのどこの大学もユニットという単位でクラスは数えられます。専攻する学科のコアとなる授業は比重が高いためこのユニットの数も増えるのですが普通1クラスは3ユニットになります。フルタイムになるには12ユニットが最低必要なので4クラス程度が一般的なクラスの履修数でこれら全てを4段階で評価されるうちの C 以上でパスしなければなりません。Aがトップグレード、Bは普通、Cはなんとかパス、Dは失格となり再履修しなければなりません。教授にもよりますが成績が良くても授業出席日数が足りないと落とされる事もあるわけでそうなると確か “I =インコンプリート” と評価され落とされます。日本の大学のような代返は知っている限りではアメリカではなかったです。生徒の多い一般教養などのクラスでは教授もめんどくさいんで出席をとる事がなかったからですね。
A君の話に戻りますが、確かある学期に2つのクラスを遅刻や欠席でパスすることができなくなりインターナショナルオフィスという留学生専用の大学の窓口に事情を説明したのですが彼のただめんどくさかったからとかいう愛想のない言い訳を学校側もそのまま移民局へリポートし、結局彼のF-1ビザは無効となってしまいました。これにムカついたA君。そんなの関係ねーと言いながら学校を変えようとします。普通の学校では無理そうなので彼の通っていた教会のクラスでなんとかならないかと考え始めます。なぜかもともとカトリックだった彼は意外と神様系には素直であったらしく教会での聖書クラスには真面目に出席していたそうです。その当時は宗教関係の団体からビザを取ることもできたと聞いたことがあり彼もそれを頼りに申請中は普通にやっていけると思っていたようです。後日話を聞くと、F-1ビザが切れて気づいた事は車の免許がもはや更新できなくなったということで、車社会のロスでは仕事にもいけず致命的となってしまう事です。どこか現金払いで稼げる仕事をしていたそうなのですが車がなければそれもできなくなる。そして、勿論学生保険も使えなくなるわけでアメリカではノー保険、ノーライフとなるくらい大変な事になる場合もあるのでそれにもドキドキとなってしまいました。
結局の所、A君は宗教ビザの申請も却下されてしまい、学校の側のある一軒家の離れを賃貸していたのですがその家もついに大家が戻るという事になり流石に彼ももうここまでかと移民局へ自ら出頭し強制退去となりその後10年ほど入国許可が出ない結果となってしまいました。今では日本で楽しく生活して居るようですがまあ人生色々あるもんです。
そんなA君などを見てきているだけに今後の違法移民の処罰が気になります。確かに勝手に他の国に住むのは違法行為となりますが、何かしらの理由があって違法に滞在しなければいけないだけであって全ての違法移民が犯罪者ではないという事をよく理解してもらいたいものです。
犯罪者に肩を持つ気は全く無いのですが、生きていくための規制が厳しいからこそ犯罪行為となってしまうような行動でしか稼げなくなるわけでその規制が厳しいほどそれを掻い潜る術が巧みになり、政府にとっては逆効果にもなるのではないかと思う事もあります。昔ヨーロッパのある国で違法ドラッグに手を出す人間があまりに増えたので、比較的中毒性の低い大麻を合法化して他の中毒性の高いハードドラッグの使用者の数を減らそうと試みたニュースを聞いたことがあります。結果はうまくいったようで今では町中に健全なストーンバディーが増えたそうです。違法移民になった場合管理下で彼らにしかできない仕事を与えみるなどそんな政策があればいいと思うのですが世の中そんなに甘くはないのでしょうか。
- At 3.5 million, immigrants make up 34% of L.A. County.
- There are over 800,000 undocumented immigrants in the region.
- Over 1 million L.A. residents live with someone who is undocumented.
- Half of undocumented L.A. County residents lack high-speed internet or a computer at home.
- L.A. immigrants have contributed over $10 billion to state and local taxes, as of 2019.
- Around 36% of L.A.’s undocumented immigrants do not have health insurance.
- More than half of immigrant renters (60%) are rent-burdened, meaning they spend 30% or more of their income on housing.