ヒトコトLAトーキング #142 アメリカ F-1 留学生

トランプ大統領による違法移民締め出しが話題になっています。違法移民ギャングメンバーがメインターゲットですが、あるエルサルバドルの違法移民者はギャングメンバーと間違われエルサルバドルのかなり悪名高い刑務所に強制送還されました。彼は違法移民だけれどギャングではなかったとすでに間違いを確認しているものの米政府は引き戻す手続きがなくどうにもできないと現在ニュースになっています。今週は違法移民だけでなく合法で留学しているカレッジキッズ達にもさらに影響が出ているようです。

アメリカのどの州の大学に留学しようが必ず必要になるのが学生ビザです。通常は F-1という種類のビザを渡航前に取得しなければいけないもので申請に必要な手続きはなかなか面倒くさいです。申請費用も大体$500 – 600前後となるので7万円から9万円と安くはないです。ここまで準備する人たちは海外生活をする決心がついているのでその分申請却下されるのは辛い事ですが、もっと辛いのは無事留学して大学入学、4年生のシニアまできてやっと卒業まで目の前にしてからのいきなりの退学命令。数人の知人もそんな経験をしていますが全員が何かしら自分でやらかしてしまったのが原因なのでまあしょうがないといった感じです。やりきれないのは自分のせいではない場合でしょう。

そんな問題に巻き込まれてしまった現在ユタ州で博士課程を受講中の Suguru Onda さん。卒業までもうすぐという所でいきなり告知が届いたそうです。その内容はあなたの犯罪歴がが見つかったのでビザは無効となります。今月4月以内にアメリカからとっとと出て行ってくださいというものだったそうです。調べてみればその犯罪歴とは2回の車運転中のスピード違反と、6年前規定された以上の釣れた魚をリリースせずクーラーボックスか何かに入れていた所をパトロールに見つかってしまった事だそうです。(アメリカではある決められた場所以外はほぼどこで釣りをする時にもゲームフィッシングライセンスが義務付けれていて、魚の種類によって大きさや持ち帰られる数が決められています。)これに関してはすでに解決しているので問題になることではないと言っていますが、そもそも交通違反やら釣りの規則違反でなんで犯罪者扱いになりビザを失効するのかという事です。

この原因にはホームランドセキュリティーという米国国土安全保障省が AIを使用し始めたらしく、どうやらAI検索で出てきた何かしらの犯罪に関与した記録があったとされる留学生のリストをそのまま使用したのが原因でこのような結果になってしまったようです。

Onda さんの弁護士が言うには 現在すでに何もなかったかのように彼の学生ビザの “Revoke” 取り消しをキャンセルされたようですが本人にとってはまさか自分がこの立場になろうとは想像もしていなかったらしくさぞかし驚いた事でしょう。

The reason for the revocation being served: Onda has been identified in a criminal records check. Yet, according to his attorney, Adam Crayk, the Japanese man only has two speeding tickets on his record, in addition to a catch and release violation from a fishing trip six years ago, which was eventually dismissed. So how did we reach this point? 

Speaking to KSL NewsRadio, Crayk said it was an automatic revocation issued by a computer. “It’s turned out that the Department of Homeland Security has used a tech bot to simply go out and search,” he said. “And anything that comes back with any type of criminally related conduct… it issued a revocation. It was never subject to human review or human eyes. 

今アメリカ中のキャンパスで似たようなことが起こっています。ロサンジェルスから3時間ほど車で南に行くとサンディエゴという街がありますが、そこにあるサンディエゴ州立大学では35人の留学生にヴィザの取り消し処分がなされたそうです。いずれも取り消し処分の理由は明らかにされていないようで、実際大学側もこの処分は通告されていなかったそうです。キャンパスでは勿論プロテストが行われていますがそれに参加するのですら今は危険が伴います。つい先日コロンビア大学の留学生がパレスチナ・ガザ問題のプロテストに参加したとして出国命令が出された問題あったように、留学生がキャンパスでのプロテストに参加するのはビザ撤回の対象になる可能性があるようです。サポートする生徒達は Freedom Of Speech、言論の自由は誰にでもあると論点を主張しています。

もともとアメリカへの留学は他の国に比べて厳しい条件があるようですがこれからさらに大変になるような気がします。もともと留学に必要な条件の一つに自国で犯罪歴がないのが原則ですが、運転事故歴、または成人以下達の軽犯罪履歴開示などもビザ申請の必須項目となるのでしょうか。これからアメリカ留学を考えている人達にとっては今はいい時期ではないのかもしれません。

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