学生としてアメリカに滞在できる一般的なビザは F-1という種類です。金儲けにつながるような特別なスキルがまだない場合にこのビザでアメリカ入国、学校で専門分野を学んだあと就職したり起業したりと仕事に繋げていくものですがこのビザの条件が今回変わるらしくこれから渡米を目指す留学生に影響が出そうです。
パスポート以外でアメリカ留学に必要な文書は大きく3つあります。I-20, F-1ビザ, そして I-94です。
I-20:留学にあたって、まずは学校から入学許可してもらわなければいけません。日本で高校を出たのか, TOEFULのスコアはあるのかなどそれぞれの学校の入学条件が満たされていると判断されると I-20が送られてきます。それからSEVISの記入など少しずつ渡米までの具体的なスケジュールが決まってきます。
F-1 ビザ:留学先の学校の許可が降りるとビザの手続きに進みますがここでは教養の有無よりも留学で何を学んでそれを将来にどう活かしていくのかなど主に滞在目的がチェックされます。必要書類と一緒に滞在目的を日本文と英文で作文したものをアメリカ大使館に提出しなければいけないのですが、肝心なのは留学後に帰国する意思があるかを明確にしないといけないんですね。これは大使館での面接でもきっと同じでしょう。
I-94: 人にもよるのでしょうが大使館でのビザの手続きが済んでから数ヶ月ほどで結果が報告され、無事にビザが降りればこれでやっとやっと渡米できることになります。I-20、ビザ、パスポートなど必要書類を入国審査で提示します。くれぐれもこれら書類をスーツケースに入れないように。昔の友人ですが、留学中夏休みに一時帰国、日本ですっかり遊んで秋のクラスが始まる前の飛行機でロサンジェルス国際空港へ到着。ルームメートに空港までの迎えを頼んだものの数時間経ってもゲートから出てこないので何かあったに違いないと一人で帰宅。翌日電話がかかってきて理由を聞くとパスポートとビザをスーツケースに入れてしまっていたので入国審査で提示できず、さらにパニクって辿々しい英語がさらにわちゃわちゃになり書類がスーツケースにある事が理解してもらえず、思わず取りに行くからと言って走り出したところ入国検査官達にがんじがらめ、銃まで向けられ無理矢理日本行きの飛行機に乗せられ強制送還となったそうです。確かその1週間後、秋のクラスも始まり新しい教科書やらを見ている頃やっと戻って来れることができ、数年ご無事に卒業しました。強制で乗せられた飛行機代も請求され本人いわく生きた心地がしなかったそうです。
I-94から外れてしまいましたが、I-94は要するに滞在許可証なので基本出入国で確認する必要はないものです。実際留学先の学校に初めて訪れてからこの書類が手元に届きます。学生時代に学校のインターナショナルオフィスからよく言われた事なのですが、ビザとはそもそも入国するために必要なものなのでビザの期間が切れても学校に入学していて普通に単位を取れているという証明さえできればアメリカ滞在には全く問題なく合法なんですね。この証明するものがI-94なのですがこの書類に D/S (Duration of Status) と呼ばれる記入箇所があります。そしてこの記入がある限り現在履修している学科を修了して卒業するまでアメリカに滞在できるという証明になります。ビザはあくまでも渡航するために必要なものなのでビザが切れても普通に学校に出席していれば全く合法で滞在できるわけです。
そしてやっとここからが本題です。今月7月17日、学生ビザを対象にしたこのD/Sが廃止されることに決定したそうなんです。そうなるとビザが切れても滞在できなるわけで、滞在期間は発行されたI-94の有効期限となります。
日本の大学は4年で卒業するために一年ごとに履修しなければならない単位数が決まっていますね。アメリカの州立大学などではそういった決まりはないんですね。自分のペースでクラスを選択することができるので授業料の支払いを考えると良心的ではあるものの必要単位全て履修して卒業するまでに時間がかかってしまうことは普通にあります。実際4年以上かけて卒業している現地の知人も沢山いました。ただし留学生には一般の生徒と違ったルールがあり、毎学期必ず最低12単位を取らなければいけません。4年生大学を卒業するのに必要な単位は大体120単位なので各学期12単位で取ると卒業するのに最低でも5年はかかることになります。こう言った場合にD/Sが有効になるわけです。例えばビザが4年でもう切れてしまっていてもD/Sの記載があれば卒業まで普通に単位を取って卒業することができます。ただしビザが切れている場合はアメリカから出国するのは控えたほうがいいと昔はよく聞きました。
実際D/S廃止になるのは9月15日の予定だそうですが、これからは相当真面目にクラスを取り、4年で大学を終えない限り留学滞在延長の手続きが必要になります。 EOS (Extension Of Stay)と呼ばれる書類らしいのですがこれを現在所持している I-94の期間が切れる前に移民局に提出しなければいけないんだそうです。書類の申請中はアメリカ滞在は許可され、クラスに出席することも許されるそうですが、全くもって面倒臭い手続きです。この申請方法はスタンダードとラッシュ手続きの2種類あるようです。スタンダードは5−7ヶ月、ラッシュでは1っヶ月ほどで審査結果が届くそうです。およそ2000ドルの追加でラッシュ手続きができるようですが、この金額が高いか安いかは本人である生徒さん次第となりそうです。確かなことは相当の生徒がEOSを申請することになる気がします。
移民局側からすればD/S廃止により書類上のエラーも減り国際警備も円滑になると理解しているようですが学校側ではこのルール規制でかなりの困惑が予想されると今からすでに嫌悪感を示しているようです。
The final rule replaces “duration of status” admissions to the United States in F and J nonimmigrant status with fixed end dates on Form I-94, requires students and exchange visitors to file formal extension applications with USCIS to stay beyond their I-94 “admit until” date (AUD), shortens the F-1 post-completion grace period from 60 to 30 days, and imposes new limits on academic flow and educational mobility like restrictions on school transfer, change of major, and moving academic level. DHS argues the changes will improve oversight, program integrity, and national security, but institutions will face higher compliance costs and legal risks, enrollment impacts, and heavier advising burdens. There are transition provisions for F and J nonimmigrants who were admitted for D/S on their Form I-94 and are inside the United States on September 15, 2026, the final rule effective date. These individuals will not have to immediately apply for a date-certain I-94, but they must still apply for an extension of stay in order to remain in status beyond the program end date on their Form I-20 or DS-2019 current on the effective date, or four years from the final rule effective date (plus the applicable grace period), whichever is shorter, and will also be subject to the new academic restrictions in varied ways. If someone in this transition group exits the United States and reenters on or after September 15, 2026, CBP will readmit them with a Form I-94 with a date-specific AUD and they will cease to have transition benefits.
D/S廃止で留学生にとってさらに大変になるのは OPT と呼ばれる期間に影響が出る可能性があることです。大学卒業後にOptiona Practical Training と呼ばれる期間を申請できるのですが、これは許可が出てから一年のみ有効でこの間、卒業した学科を使って就職活動に勤しむことができるわけです。D/Sがなく I-94の期間が卒業と同じ時期に切れてしまう場合OPTの申請と I-94の申請両方が必要になってくるようです。たった一年でも希望の仕事を見つけるのが大変な留学生にとってかなりの重荷になるでしょう。もはや移民弁護士なしではやっていけないような気がします。
ジェミニの答えでは、年間およそ8,000から9,000人ほどの日本人がアメリカ学生ビザ (F-1)を取得しているそうです。D/S廃止によって来年からこの数字がどう変わるかこれからわかってくるんでしょう。アメリカにはワーホリもなく、しかも最近のとんでもくクレージーな円安でアメリカ旅行にもかなりの制限ができてしまっています。日本とアメリカのツーリズムこれからどうなっていくのか心配です。
